~ 2025年 秋 第2号 ~

大分県由布市挾間町の「谷むら」と呼ばれる地域では、地元の有志が集まり「谷むらづくり協議会」として活動しています。地域の魅力を見つめ直し、昔ながらの食文化や伝統野菜を次の世代に伝えることを目指して、さまざまな取り組みを行っています。
郷土料理のレシピを地元の方々に教わる「きょう、土曜日」。第2号となる今回は、夏の終わりから秋にかけての食卓に注目しました。家庭で受け継がれてきた、どこか懐かしい味わいのお料理を紹介します。

栗と山菜のおこわ

■作り方
①もち米を洗って浸水させる。栗はむいておく。蒸し器のお湯を沸かす。
②水で充分に濡らした蒸し布にもち米と栗を包み、30分ほど蒸す。
③フライパンに油(分量外)を熱してAを炒め、みりんと砂糖、醤油で味をつける。
④蒸したもち米と栗を布巾ごと木桶に移し、炒めた具の半分を混ぜる。
⑤もち米と栗を布巾ごと蒸し器に戻し、さらに15分ほど蒸す。
⑥もち米を味見して硬さがほどよければ木桶に移し、残りの具とむき枝豆を混ぜる。

■ポイント
初めに味をつけるともち米が蒸しあがりにくくなるので、蒸してから2回に分けて味をつけるのがおすすめです
醤油は1升につき1合が目安。その他の調味料や具はお好みで調整してみてください。

■材料(A)
もち米:1升(10合)
栗:お好みで

■材料(B)
山菜の水煮(水気を切る):400g
椎茸:5枚(もどしておく)
いんげん:1束(100gくらい)
にんじん:大1本 
むき枝豆:1カップ
醤油:1合
みりん:ひとまわし
砂糖:大さじ3

きゅうりの飛び上がり

■作り方
①きゅうりを厚めに切り、塩揉みして水気を絞る。(塩はきゅうりの2-3%)
②青唐辛子を小さく刻む。
③みょうがと青紫蘇を刻み、きゅうりと青唐辛子と混ぜ、三杯酢をかける。

■ポイント
きゅうりは厚めに切り、塩をやや強めにすると絞りやすいです。その分、三杯酢の塩気は少なめにするとよいです。

青唐辛子は辛さに差があるため、量は自由。爽やかな香りがアクセントになり、箸が進みます。早めに作って冷やしておくと美味しい。

■材料
きゅうり:3本
塩もみの塩:(分量外)
みょうが:(あれば)
青紫蘇:適量
青唐辛子:1本(辛さが気になるときは種をとると控えめになる)
三杯酢:(酢大さじ3・砂糖大さじ2・醤油大さじ1) 

いちじくゼリー

■作り方
①いちじくジャムを作っておく(砂糖で甘く煮てレモン果汁を少量加える)。
②粉ゼラチンを水でふやかす。
③水にジャムを入れて火にかけ、60℃程度まで温める。味を調節。
④②を加えてよく溶かす。
⑤大きめのタッパーやバットに流し入れ、冷やし固める。

■ポイント
寒天で作っても◎。

■材料
いちじくジャム:300g
水:1リットル
粉ゼラチン:20g(上記外80mlの水で溶かす)

ふわふわおくら

■作り方
①おくらは分量外の塩をかけて板摺りする
②おくらと麺つゆをミキサーにかけ、とろとろにする

■ポイント
おくらの季節にはたくさん作って常備しておくといい。おうどんにかけても、豆腐にかけても楽しめます
生のまま、ミキサーにかけるだけで簡単に作れます。

■材料
おくら:20本くらい
ストレートタイプの麺つゆ:適量

鶏肉のお吸い物

■作り方
①材料をすべて入れて煮る
②顆粒だしと醤油で味をととのえる
③みつばをくるっと結んでお椀に入れ、そこにお吸い物を注ぐ

■材料(すべて目分量)
親鶏の小間切れ
にんじん
ごぼう
椎茸
醤油
顆粒だし
みつば

佐藤静子(さとう・しずこ)さん
県北の院内町から谷むらへ。和やかなお人柄で、散歩でも出会った人と話に花咲く聞き上手。
小野恵美子(おの・えみこ)さん
てきぱきお料理する姿は豪快そのもの。手先が器用で縫い物が得意。地域で手芸を教えている。
其田明美(そのだ・あけみ)さん
特技は編み物。色とりどりの作品をプレゼントしては喜ばれている。谷むら生まれ谷むら育ち

~ 2025年 秋 第2号 ~